高山寺ラウンドトラバース 大会レポート

トレイルランニング

12月14日、15日に兵庫県丹波市で行われた高山寺ラウンドトラバースに参加してきました。

大会レポートです。

大会概要

先日参加した氷上青垣グレートトレイル(HAGT)に続いて、TAMBAシリーズ戦2025の一つになります。

>> 前回

1周で距離32km、獲得標高3,400m、私は2周回するダブルに参加したので、距離64km、獲得標高6,800mになります。

公式サイト「TAMBA 第3戦 〜高山寺ラウンドトラバース〜」より
公式サイト「TAMBA 第3戦 〜高山寺ラウンドトラバース〜」より

距離の10分の1より獲得標高が多いとかどういうこと・・・、なTAMBAクオリティー(;´∀`)

Y.Kitai
Y.Kitai

KAMI100だと距離112km獲得標高6,000m、Mt.FUJIだと距離164km獲得標高7,900m。

トレイルランニング大会としては上記の比率が一般的なので、やはり異常w

シングル(1周)とダブル(2周)がある中、迷いなくダブルにエントリーしましたが・・・、獲得標高6,800mって私にとって今までで最高の獲得標高となります(;´∀`)キニシテナカッタ…

スタートは12月14日(土)18時、前回に続いてナイトトレイルです。

準備

荷物はこんな感じにしました。

レインウェアを写し忘れていますが、パーサライトの上下を持って行ってます。

当日の天気は、夕方まで雪&雨で、走っている間は一応降らなさそうな予報でした。

正直、雪模様だったらDNSにした方がいいんじゃないかと思いつつも、、、一応備えとして前回より以下の点をアップデートしました。

  • シューズには防水スプレーを念入りに
  • 靴下をインナーファクトのラミーソックスから、同じくインナーファクトのNIKKE AXIO WOOL 靴下に変更(防寒対策)
  • ゲイターを購入して装着
  • 荷物が収まりきりそうになかったので、インナーファクトのアジャスタブルウェストベルトを購入して装着
  • 念のため(パーサライトより厚手のレインウェアである)ストームクルーザーの上下も持っていく
  • 念のため予備のシューズも持っていく
  • 念のため古くなったスノーボード用グローブも持っていく

補給はいつも通りカーボジェルを中心に、以下の通り用意しました。

  • カーボジェル(500ml1000kcal) x 2本
  • ピーナッツバター125g750kcal
  • オイエナ1袋549kcal
  • コンビニで適当に買ったプロテインバーとスニッカーズ 1本ずつ
  • MAGMA5包
  • カフェインカプセル1粒50mg x 10

レースプラン

前回の作戦は「いのちをだいじに」で終始抑えた走りを心掛けて、右膝の痛みが発生したものの、安定した走りをすることができて、体力的には少し余力もある状態でゴールすることが出来ました。

前回から約3週間ではあるものの、直近のトレーニングはフォーム改善に加えて、丹波の急な登り、急な下りに対応できるように意識して取り組んでいるので、それを試したくて結構攻めた走りを試みることにしました。

周回コースなので、最悪1周で止めりゃいいかなとw

1周32km3400mなので、獲得標高100mを距離1km換算した場合にキロ6分相当で進めば7時間弱、丹波でその計算はヤバすぎるのですがw、1周を7時間半、15時間切りを目安として、1周目をとりあえず走ってみることにしました。

Y.Kitai
Y.Kitai

ちなみに走れるコースのKAMI100は112km6000m、終盤潰れたもののキロ6分弱相当で完走しています(完全にフラグ

大会の模様

スタートまで

車で丹波に向かう道すがら、丹波に近づくにつれて見える山々の上の方は白んでいます・・・。

これは雪あるよなぁ・・・と不安になりながら会場に到着。

受付で聞いてみたらドロップバッグ可とのことで、2周目用のカーボジェル1本とスニッカーズ、予備のストームクルーザー、スノーボード用グローブを入れて預けます。

今回はシングルの選手とダブルの選手同時スタートとなるので、前回より多くの人でスタートとなります、それでも20人弱ですが(^^;)

事前ブリーフィングにて、山の上の方は積雪が10cmほどあるという説明がオーガナイザーの中谷さんからあったので、スタート数分前にレインウェアの上をパーサライト(超薄手)からストームクルーザー(厚手)に慌てて変更!

変更したはいいものの、着ていくほど寒くはないのでしまいたいのだが、ストームクルーザーだと容量5Lしかないザックに入りきらない!(;´Д`)

仕方がないのでとりあえずストックを出してウェストベルトに挟むことに。

これからの・・・
これ

すると当然ストックが行き場を失うので、CUSTOM QUIVERを装着したいのですが、もうスタート時間(;´Д`)

ストックを使わない時はウェストベルトに挟むつもりだったので、このストック差しを装着してない・・・

ストックの行き場は未定のまま、スタートすることになりました。

序盤

前回はスタート早々に先頭集団は見送っていたのですが、今回は前目で走ります。

一番先頭はなぜかワンコが走ってます(;´∀`)

みんなそんなにいきなり飛ばすことはなく、非常にジェントルなスタートでしたが、急登が始まると徐々に先頭二人からは遅れていきました。
先頭のうち一名は、前回ゴール直前で追いついたものの下りでぶっちぎられた3位の方だったので、ついていけるところまでついて行きたいなーとちょっと思ってたのですが、出だしの急登をひょいひょい登っていくので無理でw、見送る形に。

その後、丹波では平常運転となるちょくちょくコースアウトを挟みつつw、最初のチェックポイントまで登り切ります。

チェックポイントを通過してしばらくすると・・・、雪が出てきました\(^o^)/

雪質はウェットで、シューズに付いたらい~い感じに溶けて染み込んできます\(^o^)/

気温はまだおそらく氷点下には達していないものの、雪が溶けてシューズに染み込んできているわけなので、足先は冷たいかと思いきや、全然問題ないです。
靴下をラミーソックスからNIKKE AXIO WOOL 靴下に変更しておいて大正解だったようです。

Y.Kitai
Y.Kitai

ゲイターも装着してて良かった!

そしてスタートから1時間、以前から悩まされている右膝内側の痛みの予兆が出てきました・・・。

早い、早すぎる。

というかもうこれは完全に、ストック使用時のフォームが原因だ(;´Д`)

ということでストックをしまいたいのですが、先述の通りレインウェアをウエストベルトの後ろに入れているため、ストックをしまう場所がありません。

仕方なく、しばらくずっと手に持っていたのですが、試行錯誤した結果、以下の通りウエストベルトの両サイドに装着することが出来ました。

最初のチェックポイントまでは30分ほどだったものの、そこから先が長い・・・です・・・。

ひたすら先ほどのような雪道が延々と続きます。

そもそも丹波のコースは前回もそうですが、進んでも進んでも距離が減りません ;つД`)

メンタル的には、まだ序盤にも関わらず、ちょっと諦めムードも入りつつ、、、1周終えたら止めるかなぁとか考えながら進みます。

COROSのGPSウォッチはナビゲーションを設定していると、全行程の残り距離、残り獲得標高、次のCPまでの残り距離、残り獲得標高が表示されるので、とにかく残り距離ではなく、残り獲得標高を見ながらひらすら進むしかありません。

中盤

スタートから5時間ほど、最初の急登で置いてかれたトップの選手に追いつくとともに、22km地点のエイドに到着しました。

エイドの模様はこんな感じです(;´∀`)

雪の中、5時間ほど走ってきて頂く豚汁に白米をインしたものはとても美味しかったです(;´∀`)

しっかり英気を養い、5分ほどでエイドを後にして、先を急ぎます。

序盤に感じていた諦めムードは、エイドでリフレッシュしたことで完全に吹き飛びました(*´▽`*)

エイドを出た直後は急な下り、これは完全にアトラクションですね…w

この頃にはシューズの中はグジョグジョになっており、既に濡れることを気にしていません\(^o^)/

いくらかの登りも挟みつつ、結構長いこと下りが続く中で、トップの選手を抜いて自身がトップに立ちました。
ペース的にはまぁ温存していないので、そのうち力尽きるのだとは思うものの、エイドの補給で結構回復もしたので、気持ちよく進んでいきます。

程なくして1周目を終え、スタート地点のチェックポイント兼エイドに午前1時頃に到着しました。
1周目を7時間ほどで終えたということです、いいペースですね!\(^o^)/

スタート前に想定していた以上にシューズがグジョグジョになってしまったので、シューズと靴下を履き替えることにします。
すぐに履き替えるのではなく、とりあえずシューズと靴下を脱いで、足をストーブで暖め&乾かしながら、カレーライスを頂きます。
グジョグジョな状態で2時間ほど走ってきたので、足裏はちょっとふやけ始めていました。

カレーライスを食べ終えたら、ガーニーグーを足裏に塗りみます。
これから明け方に向けてさらに気温が冷え込む予報のため、本当はNIKKE AXIO WOOL 靴下を履きたかったのですが、1足しか買っておらず予備が無いため、ラミーソックスを履いてシューズを履き、ゲイター(これも予備が無いので未交換)を装着しました。

また、ずっと邪魔だったストックはここでドロップし、シューズと同じく結構湿っていたグローブを、スノーボード用グローブと交換します。

Y.Kitai
Y.Kitai

念のため持ってきてて良かったスノーボード用グローブ、2周目、少なくとも手はめっちゃ快適でした。

カレーを食べてシューズを履き替えてと、30分近く滞在していたので2位と3位の選手もエイドに到着していたのですが、一足先に出発します。

周回スタートしてすぐのチェックポイントにも1周目からはそんなに落ちずに35分ほどで到着し、調子良く進めています。

終盤

1周目に苦戦した、最初のチェックポイントからエイドまでの長い長い区間に入ります。

かなり疲れてきつつはあるものの、まだ潰れるほどではなく、ペースは上がらないものの、淡々とは進めます。

2時間ほど進み続けたところ・・・、後ろに2つのヘッドライトが見えました。

おそらく2周目スタート時にエイドにいた2位と3位の選手、私のペースが落ちたのかあちらが上げたのか、追いつかれてきたようです。

まだ遠くなのであちらからこちらは見えるか見えないか微妙なところ。

しっかり見える距離まで追いつかれて目標になっちゃうとすぐ追いつかれちゃうと思うので、少し予定を早めて4回目のカフェインを摂取し、ペースを上げることに。
(カフェインは100mg/回で、ここまでに300mg摂取済み)

ペースを上げたら割とすぐ見えなくなったものの、結構きついです。

度重なる急登や急な下りで脚はもとより、体幹も結構疲弊してて、内臓もシェイクされてて気持ち悪い・・・。

がしかし、ジェルは依然として補給できるといういつもの微妙な感じ(;´∀`)

苦しいながらも踏ん張って進み続けたものの・・・、最後のエイドを待たずして耐えきれずにオーバーフローし、しっかりと潰れてしまいました…

潰れた後はペースは落ちる一方です。

すでに夜は明けており、景色はとてもいいです。

しかし、一番冷え込む時間帯でもあり、めちゃくちゃ堪える寒さです・・・。

薄手のレインウェアであるパーサライトから、厚手のレインウェアであるストームクルーザーに変えておいて本当に良かった・・・。

もちろん寒くはあるものの、まだ寒気や冷えは感じていないため低体温症の恐れのあるような状態ではありません。
停滞するようなことになったらどうなるか分かりませんが…

Y.Kitai
Y.Kitai

もちろんエマージェンシーシートは持っています。

いずれにせよ進むしかないので、気持ち悪いのを我慢してひたすらに進んでいると、2位と3位の選手が追いついてきて、パックとなりました。

パックのまま何とか最後のエイドに到着。

一人はエイドでチェックだけ済ませて、すぐにエイドを後にします。

この終盤にきてそれは強い・・・、順位を争うなら自分も手早くチェックと補給を済ませていくべきですが、残りの脚的にも体調的にも、とてもじゃないがそんなコンディションではないので見送ります。

残り10kmほどですが、、、リタイヤも視野に入れつつ、エイドでゆっくりと補給しつつ、暖を取ります。

数分経ってもう一人の選手もエイドを出発しましたが、自分は全然回復しないため出発できず…

どうしようか、リタイヤしようかなーと考えながらスタッフの方のお話を聞くと、どうやらリタイヤするにもこのエイドまで車は来れないようで、4kmほど自分で下る必要があるとのこと(;´Д`)

相変わらずのTAMBAクオリティー、そうそう簡単にリタイアさせてくれません!!!\(^o^)/

4km下るのも、10km進むのも同じか・・・、ということで最終エイドに滞在すること25分、仕方がないので腹を括って進むことにします ;つД`)

エイドで補給をし、最後のカフェインも摂取したのですが、最早ペースは上がりません・・・。

苦しみながらひたすら耐えて進み続けて2時間半ほど、最後の下り区間でオーガナイザーの中谷さんが待ち構えてくれていました。

だいぶヨレヨレでそれまでほぼ歩いていたのですが、おかげで元気が出て少し走ることが出来ています。

そのままロードに出て、残り2.5km、何とかギリギリ17時間切りが間に合いそうなペースなので必死に走ります。

必死に走って何とかキロ7分半ペース。

普段ゆっくり走ろうと思っても中々単独では出来ないようなスローペースですが、それでもめちゃくちゃ身体はキツイです。

キツかったですがそのまま何とか最後まで走り切り、16時間56分でゴールしました。

感想

今回は色んな意味で過去一きつかったです。

身体のダメージ的には先日のKAMI100の方があったりするのですが、主観的に苦しかったのは今回の方で、寒いし足は冷たいしひたすら登りと下りが延々と続くし・・・w

ちなみに、開始1時間ほどで出ていた右膝内側の痛みの予兆ですが、ストックを使わなくしたことでその後発生することはなく、今回は最後まで右膝内側の痛みは生じませんでした。

・・・が、残り40km過ぎたくらいから左膝内側が痛んでました(;´∀`)

右と全く同じ箇所なので、こちらも大腿四頭筋の疲弊かしら・・・。
右脚を酷使しないように意識した結果、左脚がその分疲労しちゃったんでしょうかね。
まぁ前回は両膝ともに痛かったのですが、今回は前回以上の獲得標高をこなしたものの左膝だけで済んだわけなので、脚力を強化していけばおのずと克服できるんじゃないかなという気がしました。
脳筋的な発想ですが・・・w

今後ストックをどうするかは悩ましいですね、、、非常に有用なアイテムではあるので、何とかフォーム改善して活用したいところですが・・・、ロングだとあるのとないので大違いでしょうし。。。

今回のログはこんな感じになりました。

後半、顕著にペースダウンしています。

まぁ、今回はレースプラン通り攻めた結果なので、予定通りとも言えます。
想定以上に苦しみましたけどw

最終エイドからスタート地点までの区間、1周目は2時間ほどで走っているのですが、2周目は3時間ほどかかっています。
脚も体力も終わってて、それだけペースダウンしたということですね・・・。

スタート時から意識していた前回3位の方は今回1位でゴールしていて、1時間近く差が付いていました。
自分にはタフネスさや安定感が欠けている印象なので、今以上に距離を伸ばすためにはその辺りをしっかり補填していく必要があるのだろうなと、改めて感じました。

本戦

まだまだ課題はいっぱいあって、目下の目標とするところには程遠いな、と今回強く感じました。

一方で、今回は中々厳しい気象条件の中、64km6800m走り切れたことは自信にもなりました。

突っ込んだから潰れたものの、しっかりと温存してペーシングをすれば、脚はまだ持つのだろうなとも思いますし、突っ込むようなレースプランでも何とか完走は出来ましたし。
何度もリタイアを考えるようなメンタルの弱さはちょっと考えものですがw

課題は尽きないものの、例えば今回2周走ったコースを、もうあと1周走れって言われたら、最初からちゃんと温存してペーシングを上手くやれば、十分現実的に完走できる可能性がありそうな気がします。

来年の6月に開催されるTAMBA100アドベンチャートレイル本戦、100Kの部は、距離103.7km、獲得標高9660m(※)と、要は今回の3周分くらいのコースプロフィールです。
※今年の値なので参考値

割と現実的に妥当な挑戦かなと思います。

審査に申し込んだところ、翌日には通過の連絡がありましたので、早速エントリーしました。

やっぱ、非現実的で出来るかどうか分からないことにチャレンジしたいですよね。

ということで来年、TAMBA100アドベンチャートレイル本戦に出場します。

種目は100mile、距離168.7km、獲得標高16210m(※)、世界一過酷な100mileレースと言われる悪名高きアレです。
※今年の値なので参考値

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