私が4倍の壁をしっかりと超えた際に、一番効果的だったと思うトレーニング、ZWIFTイベントのJETT Base Rideについて紹介します。
4倍前後で伸び悩んでいる方には特におすすめで、参考になるかもしれません。

同名のイベントが月曜の夜にもありますが、私はそちらには参加したことありません。
今回は、金曜の朝の方を紹介します。
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イベント概要
JETT Base Rideは、毎週金曜日の朝4時半から行われている、ZWIFTイベントになります。

- 主催:JETT(Japan eSports Tempting Team)
- イベントタイプ:グループライド
- 距離:70km少々
- 時間:1時間45分前後
- コース:週によってまちまちだが、基本的に平坦基調
- 指定パワー
Aカテ:4.0~4.5w/kg
Bカテ:3.3~3.9w/kg
Cカテ:2.9~3.2w/kg - ルール
- 常にグルーピングを心がける
- ライドリーダーよりも20m以上前に出ない
- ラストミニレース以外でのスプリント・アタック禁止
- ラストミニレースでのアイテム禁止
- 参加要件:ルールが守れるなら誰でもウェルカム
朝4時半から開始という、中々普通に生活していては参加しづらい超早起きが必要なライドイベントですが、頑張って早起きして参加するだけの価値があります。

個々人の生活リズムにもよりますが、安定的にトレーニングを積み重ねようと思ったら、そもそも夜より朝の方がおすすめです。
夜だと仕事が長引いたりプライベートの予定が入ってくることもありますが、朝、しかもこれだけ早朝だとどちらもそうそうないでしょう。
また、寝る前(およそ2時間以内)に高強度なトレーニングを行うと、アドレナリンが分泌されてしまって睡眠の妨げにもなるそうです。
ライドの内容は、シンプルなグループライドで、各カテゴリーに応じた指定パワーでひたすら走るだけ、というものになります。
他のグループライド同様、「まとまって走る」ということに変わりはないのですが、JETTさんのグループライドの特徴は、何といってもZWIFTの中でも屈指のグルーピングと、強力(凶悪)なスイーピングです。
グルーピング
通称イエロービーコン、ライドリーダーは週によってまちまちだったりするのですが、どなたがライドリーダーであってもしっかりとグループは統率され、グルーピングします。
また、JETTさんのイベントは、(私もそうですが)常連が多く、ライドリーダー以外の動きも非常にグループライド慣れしていてスムーズです。

もちろん一見さんお断りなんて雰囲気も全然なく、誰でも気軽に参加できます。

グルーピングされることによって、集団効果が高まり、Cカテであっても集団の速度は40km/h前後となり、70km少々という距離を2時間かからず走破します。
その速度も相まって、ギャップを作ってしまうと即千切れてしまうグループライドが出来上がります。
その緊張感が集中力を高め、中々一人では維持しきれないパワーを維持し、トレーニング効果を高めることに寄与します。
スイーピング
通称レッドビーコン、スイーパーもライドリーダー同様、週によってまちまちだったりするのですが、いずれのスイーパーも強力(凶悪)です。
また、スイーパー以外でも、スイーピングしたくてうずうずしている常連の豪脚が多く参加しているため、千切れているのが見つかろうものなら何人もすっ飛んできます。

結果、千切れたくとも軽々に千切れることが出来ない、という状況がめでたく出来上がります。

とはいえ、もちろんスイーピングも大変ですので、まだ粘りたいのであれば早めに「Help!」と申し出るのが良いです。
ドロップする気であればしっかり出力を落として千切れるか、事前に「I’ll drop, see you :)」などと言うと良いでしょう。
もちろん日本語でもOK。
日本語が通じるというのも、このイベントの魅力の一つです。
グルーピングとスイーピングがもたらす効果
ZWIFTの中でも屈指のグルーピングと、強力(凶悪)なスイーピングによって、より限界まで追い込めるようになります。
少なくとも私は、以下のようなパワーグラフを単独で描くことは不可能です…

何とか集団にしがみついて完走するんだ!
というモチベーションがあることで、私は何とか出来るようになります。
また、イベントの距離も絶妙で、大体いつも70km少々、時間にして1時間45分前後となります。
私の場合は特にそうだったのですが、1時間前後でトレーニングを行うことが多く、1時間を大きく超えるトレーニングは行っていませんでした。
1時間を大きく超えるというのが結構ポイントで、このJETT Base Rideに参加したての慣れない頃は1時間を超えてくるとパワーの維持が困難となるため、1時間を超えてからどれだけ集団で粘れるか、というのが課題でした。
繰り返しイベントに参加することで徐々にその課題が解消され、先ほどのようなパワーグラフが描けるようになり、気づいたときにはFTPが向上していました。
もちろんあくまでベース領域のトレーニングですので、VO2MAXだったり無酸素領域だったりと他のトレーニングも必要にはなってくると思いますが、こと4倍前後のライダーにとっては、JETT Base Rideは非常に有益なトレーニングの一つではないかなと思います。

もちろん実走で1時間を越えて走ることは普通にあると思いますが、パワーメーターで一定出力以上出すことを管理しているのでなければ、トレーニングとしては別のメニューとしてとらえておいた方が良いと思います。
よっぽど管理されたトレーニングライドでなければ、中々普通の人には難しいでしょう…
完走のコツ
次は、完走するにあたってのコツをいくつか。
カテゴリー選びの目安
大体以下を目安にすると良いと思います。
- Aカテ:FTP4.2倍以上
- Bカテ:FTP3.6~4.3倍
- Cカテ:FTP3.5倍以下
コースが大体平坦基調のため、体重が重めの方は上記よりFTPが低めでもいけるかもしれません。
逆に体重が軽めの方は、上記がギリギリのラインかもしれません。
参考までに、体重54~56kgぐらいの私の完走時の平均出力は大体以下の通りです。
- Aカテ:3.6~3.9w/kg
- Bカテ:3.3~3.7w/kg
- Cカテ:2.9~3.2w/kg
Aカテではもちろんレギュレーション的にもっとパワーを出しても良いのですが、今の私には上記が限界です・・・。
そもそも、まだたまに千切れてしまうこともあります。
それでも私の場合は、Bカテに参加して3.9w/kgで前を引くより、Aカテに参加して千切れないように必死に食らいつく方が追い込めるので、体調次第ではありますが、最近はAカテに参加するようにしています。

Bカテで、ある程度余裕をもって完走できるようになる、または、ある程度前を引けるようになると、4倍の壁を突破しているかもしれません。
バイクセッティング
まずは完走を目指す、ということにおいては、エアロ特化のセッティングがおすすめです。
特に60kgを下回るような軽量ライダーの場合は同じPWRでもパワーの絶対値が低いため、周りのライダーと同じくらいのPWRでも、徐々に集団後方に下がっていってしまい、そのうち千切れてしまう危険性があります。
エアロ特化のセッティングにすることでそれが緩和され、集団前方での位置取りを行いやすくなります。
ちなみに、エアロを最優先としたセッティングは、2021/10/5現在、以下の通りです。
- Cervelo S5 2020
- DT Swiss ARC 62 Dicut Disc
55kg前後の私の場合、Tronでも全然エアロ足りないので、JETT Base Rideはいつも上記のセッティングで参加しています。
走り方
平坦区間
平坦区間では、とにかく上げ過ぎず下げ過ぎず、一定に走ります。
余裕があって集団を引きたい場合は指定PWRの範囲で上げて集団前方に出ても良いですが、そうでない場合、集団先頭に出てしまうと風の影響で一気に減速してしまうので危険です。
そのため、上げ過ぎず下げ過ぎず、が良いです。
なお、集団後方は千切れる危険性の高い位置取りですので、出来るだけ集団の中ほどに位置取りするように心がけると良い・・・のですが、私は大体集団最後尾が定位置になってしまっている(上がりたくても上がれないことがほとんど)ので、あまり説得力はないですねw
アップダウン区間
注意が必要なアップダウン区間。
グループライドで特に注意しなければならないのは、アップではなくダウンです。
アップではドラフティング効果が弱まるため休めないのはもちろんなのですが、平坦区間と大きく変わるものでもありません。
一方、ダウンでは速度が上がり、風の抵抗が強まるため、相対的にドラフティング効果が非常に大きくなります。
ダウンで少しでもギャップが出来ようものなら、あっという間に千切れてしまい、なおかつ、集団との差も一気に広がっていってしまいます。
そのため、下りで休まないことはもちろん、登りが終わるタイミングでしっかりとイエロービーコンの近くに位置取り、しっかりと踏んで集団の加速に遅れないことが重要になります。
まとめ
「私はこれで4倍を突破しました。」
的なイベント&トレーニングということで、一番おすすめなJETT Base Rideを紹介してみました。
他のグループライドイベントなんかもそうだと思いますが、JETTさんのイベントはチームに加入していなくても、誰でもウェルカムで参加しやすいイベントになっています。
(もちろんルールはちゃんと守って、ライドリーダーの指示には従いましょう。)
集団にしがみつくことで普段以上に頑張ることができ、しっかりとベース(下地)を作ることが出来るイベント内容になっています。
私は脚質がスプリンター寄りなため、特にこういった長時間一定出力は苦手としている分野なのですが、このイベントに参加するようになったことで、その苦手分野をある程度克服することが出来ました。

スプリンターな私が完走できるわけですから、たぶん誰でも繰り返し頑張ればそのうち完走できるようになるでしょう。
ほら、そこのスプリンター寄りで長時間トレーニングを避けている人!
FTP上げたいならおすすめですよ!
4倍前後で伸び悩んでいる方には特におすすめなイベントですので、興味がありましたら頑張って早寝して、参加してみてください。