GROWTACが2022年3月から取り扱いを開始したクランク型の両足計測パワーメーター、Magene P325 CSを買いました。
まだ買って数日ですが、使ってみた感想とログを記載します。
Magene P325 CS
クランク型のパワーメーターですが、チェーリングも専用になっています。
重量は165mm50-34Tで750gとのこと(メーカーサイトより)。
軽くはないですが、重すぎるということもない、といったところでしょうか。
私は170mm52-36Tを選択しました。
製品仕様は以下の通りです。
計測方法: クランクアーム型両足計測
GROWTAC「Magene P325 CS」
平均重量: 750g(例 165mm,50-34T)
パワー計測制度: ±1.5%
稼働時間: 200時間(満充電時)
通信規格: ANT+, Bluetooth Smart4.2
保護等級: IPX7
パワーレンジ: 0~2500W
ケイデンスレンジ: 20~240rpm
クランクサイズ: 165 / 167.5 / 170 / 172.5 / 175mm
チェーンリング: 50-34 / 52-36 / 53-39
対応変速段数: SHIMANO,SRAM: 11S,10S
対応BB: BB86,SHIMANO HOLLOWTECH II BSA/ITA
Qファクター: 147mm
計測データ: パワー、ケイデンス、左右バランス、トルク効率、ペダルスムーズネス
動作温度: -10~50℃
希望小売価格: 50,000円(税別)
最大の特徴は両足計測で55,000円(税込)という破格の安さでしょう!
私は先日まで完成車についていたチェーンリング50-34TのFSA Omegaクランクを使っていて、52Tにサイズアップしたかったところなので、Tiagraクランク買うくらいだったら、いっそアップチャージして買っちゃえってことで、勢いで買っちゃいました。
(Tiagraクランクは昨今の品不足で数ヶ月待ちだし・・・)
製品自体2021年に発売されたばかりのもので海外レビューも少なく、日本でも2022年3月に発売されたばかりで当然情報も少なく完全に人柱ですが、それがまた面白いので、購入に踏み切った理由の一つでもありますw
セッティング
取り付け
取り付けは行きつけのショップ、WAVE BIKES 総社店さんにお願いしました。
基本的に、SHIMANOのクランクが付いてたらそのままポン付け出来るはずですが、チェーンリング一体型でフロントの変則がSHIMANO純正より渋いとのレビューが見受けられるので、自分でやるよりは技術力のあるショップにお任せした方がいいかもしれません。
注意点としては対応変速段数が10~11sなので、新型DURAやSORA以下では使えないようです。
10s時代の105とかでも使えるのかどうかは分かりません。
私はグループセットがTiagra 4700(10s)でクランクだけFSA Omegaだったの、BBをSHIMANO互換のものに換装した上でP325 CSクランクを取り付けてもらいました。
(BBも錆びまくってて限界だったので、それも購入に至った理由の一つでした)
ペアリング
ロードバイク歴5年ほどですが、私は未だにサイコンを持っていなかったのでw、パワーメーターの購入にあわせてサイコンも購入しました。
色々悩んだのですが、メーカー揃えるのが一番間違いがないかなと思い、Magene C406にしました。
まぁ、安いですしねw
基本的にはパワー値をANT+等で受信できるサイコンなら大丈夫のようですが、トルク効率やペダルスムーズネスなどを閲覧しようと思ったら、「サイコンに対応した」アプリが必要みたいです。
私は、パワーメーターMagene P325 CS、サイコンMagene C406、アプリOnelapFitという組み合わせにしました。
サイコンの組み合わせに際しては、事前にGROWTACのサポートに問い合わせしました。
わざわざ検証までしていただいて、P325とC406の組み合わせで問題なく使えることを確かめてくださったので、安心してP325とC406を購入することが出来ました。
ログ & デュアルレコード
スプリント多めのグループライド
4/18 JETT Monday Morning Rideに参加した際のログです。
巡航は3倍前後ながら、要所のスプリントポイントでは希望者だけもがくイベントになっていますので、高出力の数値を見るにはもってこいなイベントです。
計測された数値を単体で見る分には何ら違和感なしといったところです。
次はDIRETO XRで取った数値とP325 CSで取った数値(デュアルレコード)の比較を見ていきます。
比較に用いたのはZwiftpowerのAnalysis機能です。
Zwiftから連携されたデータ(from DIRETO XR)に、手元のデータ(from P325 CS)を追加しての比較となります。
5秒~1分くらい、パワー値で見ると300wくらいから乖離が始まり、400w以上ではまぁまぁの乖離となりました。
主にスプリントした際の乖離が大きいようです。
次はスプリントを拡大してみます。
DIRETO XRの方が平均的で、P325 CSは結構ギザギザしています。
もしかしたらP325 CSの方は、右か左の片足だけ高出力がとらえきれていないのかもしれませんが、何とも・・・。
間隔的に、踏み込みをリアルタイムに検知しているというには、ギザギザの間隔が長すぎる気がするのですが、どうでしょうね。
あと、DIRETO XRの方がパワー値が上がるのが遅いですね。
パワーメーターの違いなのか、Zwift側の問題なのか、単にタイムセットがずれているのかは分かりません。
ただ、乗っている際も、Zwiftに表示されるDIRETO XRのパワー値は自身の感覚よりはワンテンポ遅れてて、サイコンに表示されるP325 CSのパワー値も遅れてはいるもののZwiftよりは早いという感じでした。
比較時にオフセットを調整する機能もZwiftpowerのAnalysisにはあるのですが、今回の比較ではそういった調整はしていません。
総じて、最大値は同じくらいなものの、P325 CSの方が早くパワーが落ちています。
登り多めのレース
4/20 JETT ZWIFT Morning Raceに参加した際のログです。
単体のログはあまり変わり映えしないので、デュアレコ結果のみ。
こちらも最大値や平均値にそこまで大きな乖離はありませんが、4分の250w後半くらいから乖離していってて、5秒~1分の乖離はかなりの値となっています。
乖離の原因となったのは以下のゴール前のスプリントの局面。
総じてP325 CSの方が低い数値を出しているのに加えて、最後の数秒はまともに数値を取れていないように見受けられます。
もちろんDIRETO XRの方が間違えている可能性もありますが、特にスプリントについては実際に走ってて表示される数値が踏み込み続けているのにも関わらずすぐ下がってしまう印象をP325 CSでは受けます。
実走(近所の登り)
最後は実走してみたのでそのログも。
こちらは当然デュアレコはありません。
機器のインプレとは異なりますが、やはり走行中にパワー値見れるのはすごくいいですね!w
思ったよりパワーが出ていたり、休むとやはり落ちたり、休んでないつもりでもじりじり落ちたり・・・とw
結構私は突っ込んで後半たれることが多いタイプなので、ちゃんとペース配分しようと思ったら、やはり感覚はあてになりませんね・・・、感覚でもある程度出来ているつもりだったのですが・・・。
最後にスプリントとまではいかないまでも、少しアタック気味に踏んでみたところを拡大してみます。
途中一回下がっている箇所は、踏んでいるのに低いパワー値が出ていました。
横一線になってますし、おそらくシグナルロストでもしたのかなと思われますがどうだろうか。
ファーストインプレッション
良い点
- 安い!
- クランク長や歯数のバリエーション豊富
- 取り付けもお手軽
- 300w以下でのパワー値は結構ちゃんと取れる
- スプリントも一応取れる
- トルク効率や左右バランスなども取れる(ちゃんと取れているのかは分からんw)
悪い点
- 300w以上の精度が非常に怪しい
- スプリントは検知されるがちゃんとした数値は取れない可能性が高い
- アタックは検知されるがちゃんとした数値は取れない可能性が高い
- たまに誤検知でスパイクしたり、スプリントしているのに検知しないということがある
- 上記の理由から、シリアスなレース勢には向かない
- 同様に、Zwiftする際のメインソースにも向かない
- 同様に、ZRL等向けのデュアルレコード用途にも向かない
その他
- 剛性が低いなんてレビューも見受けられたけど、元々のクランクがFSA Omegaと結構安いやつなのもあって、特に柔らかいと感じることはなかった
- フロントの変則が渋いというレビューも見受けられたけど、元々の(以下略
という感じです。
なので、GROWTACの謳い文句通り、「すべてのサイクリストにパワーメーターを」という観点においては非常に良い商品かなと思います。
何より安いですしね!
一方、シリアスなレース勢には精度が不足している可能性が高く、やはりそういった方は素直にAssioma買った方が幸せになれる気がします。
また、固定や三本ローラーでZwiftやるために買うパワーメーターとしても向かないと思います。
アタック、スプリントで数値の劣るP325ではレースで勝てないのでつまらないと思います。
Zwiftではパワートレーニングできればそれでいいよ・・・という方も、そのうちレースしたくなった時に後悔しちゃうと思いますし・・・。
また、ZRLなどのデュアレコとしても不十分かもですね、こんだけ乖離しているとデュアレコとしてアップしても意味ない気がしますw
一応その用途も視野には入れていたので、私的にはちょっと痛いけど、まぁ海外レビューである程度覚悟はしていたので許容範囲かなというところです。
(そもそもZRLは出れても当分Bカテだと思うのでデュアレコいらないし)
私は一応トライアスロンをメインに据えているので、ペース配分のためにはP325 CSで必要十分という感じですね。
何より、DIRETO XRに変えてから下がっていたFTP、こと200w前半での乖離がほとんどないことから、やはり以前使用していたELITE TURNOがハッピーメーターで、DIRETO XRで測定したFTPが正しいということが実証されたと言えるので、残念ですがようやく心に平穏が訪れましたw
P325 CSは、高出力の数値に不満はあれど、今のところ概ね購入して良かったなという感想です。
BBが限界で交換しなければならなかった、フロントチェーンリングを50Tから52Tに増やしたかった、というののついでだったのも大きいですがw
引き続き使用してまた書くことが溜まったらまたインプレの続きを書こうと思います。
そのうちAssiomaレンタルとかしてトリプルレコードで数値見たりもしてみたいですね。
また、前述のデメリット、もしかしたらパワーメーターP325 CSが原因ではなく、サイコンC406が原因という可能性もなくはないのかなと思います。
なので、後日、Zwift(PC) & P325 CS、サイコン(C406) & DIRETO XRと、入れ替えてデュアレコ取って比較もしてみようと思います。