トライアスロンを始める前からずっと気になっていたスイスのランニングシューズブランド『On』。
ようやくそのOnのランニングシューズを買いました。
選んだのは『Cloudflow』。
購入してから60kmほど走りましたので、その感想、ファーストインプレッションになります。
On Cloudflow
ちくわソール(正式名称CloudTec)が特徴的なOn。
ランニング始めた当初よりデザイン性に惹かれて欲しいと思っていたのですが、NIKEの厚底と比較した場合、性能面で優位性を見いだせずに購入していませんでした。
また、練習用に使用しているNIKE React ODYSSEYはアウトレットで4,000円以下、大会用に使用しているNIKE ズームフライ フライニットも10,000円以下と、15,000円前後するOnの靴をわざわざ購入しなくても問題なくトライアスロンを楽しめていたため、欲しいとは思いつつも必須ではない状況で、これも購入しなかった理由の一つでした。
そんな中、なぜ購入したのかというと、以下の理由からでした。
- 新型Cloudflowのデザインがとても好みで、ランニングだけでなく日常使いとしても欲しくなった
- シンスプリントを発症した
- 家庭内稟議が通った(これ重要w)
1つ目の理由はOnを購入している人の中では鉄板ですね。
ランニングを始めてからというもの、私はちょっとした外出時も走れる靴を履きたいと思うようになりました。
子供と公園に行くときなどはもとより、街歩きの時などのタウンユースであっても、動きやすい靴、歩きやすい靴、そして軽く走ったりすることも出来る靴、というのを常に身に着けたいと思うようになったのです。
ただ、多くのランニングシューズはなんとも「運動用です!」といったデザインの靴が多く、普段使いするにはとっても微妙。
そんな中、OnのCloudflowのデザインは、私にとっては日常使いもしやすそうなデザインだったのです。
(ちなみにランニングシューズ以外はTOP SEVENの靴を愛用してます)
2つ目の理由は結構深刻です。
実は1,2ヶ月前よりシンスプリントを発症してました。
これはNIKEの厚底が悪いというよりも、オフシーズンで体重が5kgほど増加したことが原因だとは思うのですが、スネの周辺の筋肉が痛むタイプのシンスプリントに悩まされており、思うようにラントレーニングを積み重ねることが出来ずにいました。
Onの靴がシンスプリントに聞くという話を見たわけでも何でもないのですが、CloudTecの優れたクッショニングで改善されることがあればいいなと思い、試してみることにしました。
3つ目の理由もとっても重要ですねw
まぁシンスプリントの話をしたら、可能性があるならということで稟議はあっさり通ったわけですが(^^;)
装着感
と言うことで、購入したOnの新型Cloudflow。
履き心地はとても良いです。
アッパーは、フィット感抜群で心地良し。
ソールは、無理な足裏の形にされることもなく、自然なフィット感で心地良し。
つま先は、私の足がかなり幅狭なこともあり、結構余裕があるものの、ズレてしまうということはない。
ヒールカップだけが少し残念、やや踵が浮く感があります。
まぁこれは私の場合はどの靴履いても受ける印象で、踵の浮く感のない靴に出会ったことがそもそもありませんので、もしかしたら私の足の特徴なのかもしれません。
実際走ってみてもそこまで気になるということもないので、問題はないのでしょう。
総じて、足に無理させることなく装着することが出来ており、特に長距離の際にこの自然な履き心地は活きてくる気がします。
また、タウンユースとしても、この履き心地はバッチリですね。
走ってみた感想
60kmほど走ってみた現時点での感想を。
比較対象はNIKE ズームフライ フライニットです。
靴のレスポンス
走ってみてまず最初に感じた印象ですが、靴から受けるレスポンスが遅いです。
CloudTecはちくわ部分が潰れることによってクッショニング性が確保され、膨らむことで推進力を得られる仕組みとなっていますので、それが影響しているのでしょう。
あくまで私の場合はですが、靴から受けるレスポンスが遅いため、ピッチが落ちます。
フライニットの時は190spm前後のピッチが、Cloudflowの時は180spmまで落ちます。
もうちょっと靴に慣れてくればまた違うのかもしれませんが、無理にピッチを上げようとするより、少し遅めのピッチでも靴のタイミングに合わせた方が気持ちよく走れます。
なお、ピッチが落ちる代わりに、私はストライドが伸びました。
そのため、ペース的には差し引きゼロです。
着地時は硬い印象
クッショニングを期待して購入したCloudflowですが、着地時はやや硬めの印象を受けます。
ただ、これはあくまで印象です。
脚の筋肉へのダメージ
非常に少ないです。
10km、15km、20kmと距離を伸ばしていくにつれ、私はペースに関わらずいつも脚がパンパンになるのですが、この靴はその疲労がかなり軽減されます。
着地時の印象はやや硬めと先述しましたが、着地した際の硬軟だけがクッショニングと言うことではないのでしょう。
CloudTecのクッショニングは、そこまで柔らかいという印象はないにもかかわらず、疲労軽減に寄与しています。
そのため、今の私の走力では、フルマラソンやミドル以上のトライアスロンにおいては、フライニットより、Cloudflowを履いた方が良いタイムが出るような気がします。
加速&トップスピード
加速はややしにくいです。
また、トップスピードでの走りやすさはフライニットに軍配が上がります。
そのため、私はハーフマラソンやショートのトライアスロンなど、短めの距離においては脚に負担がかかろうが、Cloudflowより、フライニットを履いた方が良いタイムが出るような気がします。
重心
やや下がる気がします。
フライニットの時は胸辺りを前に押し出すように走るとスピードに乗せやすいのですが、Cloudflowはもう少し低めでヘソ辺りを前に押す出すように走るとスピードに乗せやすいです。
あくまで私の場合は、ですが。
下り
とっても走りやすいです。
先述の通り脚へのダメージが非常に低減されるため、下りでスピードに乗せても脚の筋肉に及ぼす負担が少ないです。
短めの距離ではフライニットの方がと先述しましたが、アップダウンが多くて脚にくるコースプロフィールの場合は、短めの距離でもCloudflowの方が良いタイムが出るかもしれません。
足裏の感覚
こんなちくわ形状なのにw、足裏感覚がとてもいいです。
路面の情報をしっかりと足裏に伝えてくれます。
何でかは分かりません(;’∀’)
その他
その他の感想を。
小石問題
こんなソールをしているので、小石が詰まるのではないかという懸念がありました。
特に我が家は、玄関出てすぐの場所にこのような砂利が敷き詰められています。
ランニングするにはここを通過しないとならないわけですが、実際にどうなるかというと・・・。
案の定こうなります(;’∀’)
ほぼ毎回こうなりますので、砂利にはかなり弱い靴と言わざるを得ないでしょう。
もしランニングコースに砂利道が少しでも含まれる場合は、Onの靴は避けた方がいいでしょう。
最初、砂利が挟まっていることに気づかずに少し走ったところ、ソールに少し亀裂状の傷が出来ました。
気にするほどではないのですが、やはり砂利を挟んだまま走るのは止めた方がいいでしょう。
ソールの消耗
舗装路を60km走った現時点でのソールの消耗具合は以下の通りです。
消耗の早さとしては普通でしょうか。
ただ、靴の形状から類推するに、靴が消耗してきても結構引っ張って使用する人には向かないかもしれません。
先述の通り値段もそこそこしますので、寿命を長めの800kmで計算してもキロ20円、私にとってはヘビーユースするには悩ましい金額で、リピートするかどうかは今後の気に入り方次第ですかね。
なお、ランニングシューズとしての寿命を終えたら、完全に普段履きにシフトして、長く使うつもりではいます(^^;)
足の痛みはどうなったのか
ということで気になるシンスプリントの現状です。
私は、以下の写真の手で押さえている箇所、スネの内側の筋肉が痛むタイプのシンスプリントを発症していました。
蹴るときと言うより、着地の衝撃を受け止めるときに痛む感じです。
走っているときはもちろんのこと、走った後も1,2日くらい後を引き、歩いている時も多少痛みます。
ランニングシューズをOnのCloudflowに変えて走ること60km、その痛みがどうなったかというと、かなり軽減されました(*´▽`*)
まず走っている時ですが、足への負担が軽減されるからか、走ってて痛みが気になる、痛みが増すと言うことがかなり軽減されました。
着地の衝撃を頑張って足の筋肉で吸収しなくても良いからなのか、リラックスした状態で走ることができ、自然と痛みも減少傾向にあります。
まだ完全に無くなったというわけではないのですが、日々のトレーニングに支障をきたさなくなってきており、このまま継続していけば収まっていくのではないかなと思われます。
(そもそも1,2週間休足しろという話かもしれませんが・・・w)
さて、私はランニングにおいて、実はもう一つ痛みの悩みがありまして、それはアーチ痛です。
これも着地の衝撃を受け止めるときに痛むのですが、右足のアーチ部分にある筋が痛むことがたまにありました。
特に長距離を走った時に発症することが多く、ランニングを始めてまだ一年半ほどと日も浅いため、体がまだまだ出来ていないのでしょう。
このアーチ痛ですが、先日Cloudflowを履いてハーフを走ったところ、全く発症しませんでした。
推測ですが、クッショニング性に加え、足に無理を強いることのないソールのフィット感が寄与しているのではないかと思われます。
まとめ
初めて買ったOnのランニングシューズ、Cloudflow。
期待していた通り、足に優しい靴でした。
NIKEの厚底は推進力が高くて良いのですが非常にスパルタな一面もあります。
一方、Onの靴はとても優しく、気持ちよくランニングを行うことが出来ます。
この特徴は特に長距離の時に活きてきそうな印象を受けており、現時点では、6月に挑戦予定のトライアスロン、アイアンマンディスタンスのランギアはNIKEではなくOnを選択しようと考えています。
何よりOnはそのブランドのコンセプト通り、走っててとても気持ちよくて楽しいです。
トライアスロンやマラソンは日々トレーニングを継続することも重要です。
そんな中、Onのランニングシューズはそのトレーニングを楽しいものにしてくれます。
また、ランナーには常に怪我のリスクがつきまといますが、その怪我のリスクを軽減するためのクッショニング性も非常に高く、予防や改善につながる可能性を秘めたとてもいい靴だと思いました。
というわけで、OnのCloudflow、とっても気に入ってます(*´з`)
興味のある方は是非一度試してみてください。